北京外国語大学日本語学院は、1956年に創設された外交学院の日本語専攻に遡ることができます。1962年に北京外国語学院アジア・アフリカ語学部に編入され、1981年に日本語学科として独立し、2018年11月に日本語学院に改称しました。1986年に日本語言語文学修士課程、1993年に博士課程、2013年に日本語翻訳通訳修士課程(MTI)を開設しました。2008年、教育部により「全国日本語言語文学重点(育成)学科」に、北京市教育委員会により「北京市重点学科」に選定されました。2019年に第1期国家級一流専攻育成拠点に選ばれました。
日本語学院は博士学位授与権を持ち、専門性の高い教師陣を有しているほか、常任教師として日本人専門家や客員教授も複数名在籍しています。
1学年の定員は、学士課程72名、修士課程30名、博士課程3~4名です。学士課程は、統一試験入学の未修者クラスと推薦入学の既修者クラスを設置しています。優れた総合能力、確実な日本語能力や専門知識を持ち、学際的かつ複合型の日本語人材育成を目指しています。教育目標とカリキュラムに基づいて、日本語言語学、日本文学、国・地域別研究、翻訳・通訳という四つの分野に分かれています。修士課程は、言語学研究、文学研究、日本研究、中日比較研究に従事する人材を育成する学術型修士と同時通訳者、会議通訳者など高度な通訳人材を育成する翻通訳修士に分かれています。博士課程は、日本語言語、日本文学、日本社会、日本文化などの専攻を開設しています。
日本語学院は、早稲田大学、慶應義塾大学など日本の30余の大学と協定を結んでいます。また、慶應義塾大学、岡山大学などの大学と学士課程、修士課程のダブルディグリープログラムも実施しています。毎年、留学又は短期訪問で渡日する学生は50名以上にのぼります。
北京日本学研究センター概要
北京日本学研究センターは1985年に創設され、北京外国語大学に所属する学術研究機構及び大学院修士レベル以上の人材を育成する教育機構です。2008年、教育部により「全国日本語言語文学重点(育成)学科」に、北京市教育委員会により「北京市重点学科」に選定されました。2012年に、教育部国・地域別研究育成基地に選ばれ、2017年、中国シンクタンク索引(CTTI)に入選しました。2021年、北京日本学研究センターが発行する『日本学研究』はCSSCI(2021-2022)に収録されました。
北京日本学研究センターの前身は、1979年12月、大平正芳首相の訪中時に、中国政府と調印した文化交流協定に基づいて北京で創設した「全国日本語教師養成班」(中国の日本語教育・研究界では親しみを込めて“大平班”と呼ばれている)です。「大平班」の好評を受け、1985年9月、中国教育部と日本国際交流基金によって、北京外国語大学に創設されました。
北京日本学研究センターには言語学、日本語教育、日本文学、日本文化、日本社会、日本経済の6学科の研究室があり、毎年、修士30~40名、博士10名前後を募集しています。また、日本神戸大学、広島大学、岡山大学と修士ダブルディグリーの協定、東京大学などの名門大学や研究機関、民間団体と交流協定を結んでおり、毎年、学生を日本に派遣しています。国際的な教育理念、高水準の教師陣、見覚ましい研究成果、豊富な蔵書、充実したサービスと施設を持ち、中国国内屈指の教育、研究、シンクタンク、文化交流の機能を兼ね備えた総合的な学術プラットフォームとなっています。
北京日本学研究センターは設立以来、1500名以上の修士・博士を送り出し、我が国の教育、研究、対外交流団体や組織に、日本語教育や日本研究に従事する高度な人材を供給し、中国の現代化建設、中日両国の教育・文化交流、中日友好に重要な貢献をしてまいりました。今後、国内最先端で国際的に重要な影響力を持つ日本研究機関になることを目標に、世界中の優れた日本研究の成果を中国に紹介し、中国の優れた日本研究の成果を世界に発信してまいります。