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北京外国語大学開催:「インデックス・グローバル新年フォーラム(2022)」 「メタ・インデックス」、インデックス倫理宣言と インデックスペディア・ネットを初公開

Updated: 2021-12-31

20211231日、北京外国語大学地域とグローバルガバナンス高等研究院とインデックスペディア・ネットは外語教学と研究出版社9階のマルチホールで「インデックス・グローバル新年フォーラム(2022)」を共同開催した。今回のフォーラムのテーマは「インデックス・グローバル、未来を切り開く」である。フォーラムでは、北京外国語大学楊丹学長の率いたチームが開発した世界初の「メタ・インデックス」と「インデックス倫理宣言」を発表し、「インデックスペディア・ネット」の公開とオリジナル・インデックス20種の予告を行った。

北京外国語大学地域とグローバルガバナンス高等研究院王建斌常務副院長がフォーラムの司会者を勤めた。北京外国語大学趙剛副学長は開会挨拶を行い、北京外国語大学がグローバル立校戦略を導きとして、グローバル言語・グローバル文化・グローバルガバナンスの三大重点領域にフォーカスし、力を注いで国のグローバル戦略に寄与する能力を高める、と述べた。

楊丹教授はまず、今回のフォーラムの三つのメイン内容の関係について次のように説明した。「メタ・インデックス」はグローバル・インデックスの科学的な家で、アセスメント・システムを提供する。インデックス倫理宣言はグローバル・インデックスの心の家で、バリュー・システムを提供する。インデックスペディア・ネットはグローバル・インデックスの物理的な家で、集積システムを提供する。

続いて、楊丹教授は「メタ・インデックス」を公開した。「メタ・インデックス」は「インデックスを認識、インデックスを評価、インデックスを発展」を理念とし、様々な方法とマルチソース・データでグローバルのインデックスを総合的に評価することによって、「インデックス過剰」の時代でインデックスをよりよく理解しようとする人々をサポートし、ニーズに合った質の高いインデックスを正確かつ迅速にたどり着くように機能するものだ。長期的に見れば、メタ・インデックスはインデックス領域の研究者と実務者のための参考材料を提供し、インデックス市場で低品質のものを抑え、インデックス学の構築にとって建設的な役割が果たせると見込まれる。

北京外国語大学地域とグローバルガバナンス高等研究院副院長李紫瑩教授と高級翻訳学院院長任文教授はそれぞれ中国語と英語で「グローバル・インデックス倫理宣言」を朗読した。この宣言は世界で初めてインデックス研究者と利用者に向けて発信したインデックス世界の構築に関する基本的な倫理道徳の規範で、インデックスの公正原則、開放原則と科学原則を提案し、インデックス研究の学術的独立、公正な競争、反差別、均衡ある発展と科学性や合理性を呼びかけたものだ。

国際ビジネス学院院長牛華勇教授はフォーラムでインデックスペディア・ネットについてこう紹介した。インデックスペディア・ネットは世界初のインデックスの百科全書で、構造的かつダイナミックで、そしてインターアクティブなインデックスの百科全書の構築を通じて、学際間の壁を打ち破り、インデックスを礎として、地球規模で学問全領域に行き渡らせる知識体系を作ることを旨とするものだ。2021年、インデックスペディア・ネットは第一フェーズで重要なインデックスを1200も網羅し、うち、400近くのインデックスのデータを二次加工を行い、データの見える化を遂げた。今後、インデックスペディア・ネットは段階的に多言語のバージョンを世に送り、オーダーメイド式のデータ解析サービスを提供し、インデックス研究の方法を革新し、グローバル化した視野に基づいたインデックス学術体系を成し遂げる。

楊丹学長、中国共産党中央対外連絡部于洪君元副部長、中国外文局当代中国と世界研究院于運全院長、中国国際問題研究院欧州研究所崔洪建所長、北京大学新構造経済学研究院王勇学術副院長、北京大学情報管理学科王継民教授などの専門家、学者がインデックスの社会機能とインデックス学の構築をめぐってラウンドテーブル会議を行った。地域とグローバルガバナンス高等研究院周鑫宇教授が司会者を勤めた。会議参加者はメタ・インデックス、グローバル・インデックス倫理宣言とインデックスペディア・ネットに高い評価を与えた。

また、フォーラムでは2022年度に発表する一連のインデックスを予告した。国際伝播能力シリーズのインデックス11種、グローバルガバナンス・シリーズのインデックス4種、グローバル化シリーズのインデックス5種が含まれる。

中央ラジオ・テレビ総局CGTNスペイン語チャンネル報道班、新華社通信アラビア語部記者はフォーラムの現場で楊丹学長に対して特別インタビューを行った。新華社通信、新華社ニューメディアセンター、中国教育テレビ、社会科学ネット、現代教育新聞、中国ネットフランス語版など多数のメディアがフォーラムで取材した。


メタ・インデックスの概要


インデックスは世界を知る重要なツールであるが、われわれは今、まさに「インデックス過剰」の時代に置かれている。大まかに統計すれば、世界で既存のインデックスが数百万にも上っていることが分かる。その中から、もっとも価値のあるものをいかにしてマイニングするかは、重要な課題である。

このような背景の下、北京外国語大学はインデックスペディア・ネットを立ち上げると同時に、メタ・インデックス、すなわちインデックスに関するインデックスを開発した。メタ・インデックスは、インデックスペディア・ネットに網羅されたインデックスに対して評価を行い、ユーザーにとって価値のあるインデックスをいち早くマイニングすることを旨とする。

評価方法については、メタ・インデックスは文献計量とオルトメトリクス(Altmetrics)に基づき、学術誌論文データ、サーチエンジン・データ、各種メディアのデータを総合的に利用し、重要性・科学性・影響力の三つの次元からインデックスペディア・ネットにあるインデックスを評価するものである。

メタ・インデックスは客観性・能動性・柔軟性の特徴を持っている。メタ・インデックスは客観的に得られたデータしか扱わず、プログラムでデータの収集・処理・コンピューティングの全過程を自動的に行うことができる。さらに、ユーザーがニーズに応じて評価指標を自由に組み合わせられ、最大限にそれを満たせる。


メタ・インデックスの指標システム


一級指標

二級指標

指標内容

A重要性

A1 政府に注目されているか否か

政府の公式ホームページに掲載されたことがあるか否か

A2 民間で注目されているか否か

サーチエンジンでホット・キーワードになったことがあるか否か

A3 インデックスの生命力

10年以上存続するインデックスであるか否か

B科学性

B1 権威的学術誌に認められているか否か

権威的学術誌の掲載論文に引用されているか否か

B2 核心的学術誌に認められているか否か

核心的学術誌(B1を除く)の掲載論文に引用されているか否か

B3 一般学術誌に認められているか否か

一般学術誌の掲載論文に引用されているか否か

C影響力

C1 権威的メディアへの影響力

中央メディアによる当該指数の関連情報の報道数

C2 個人メディアへの影響力

個人メディアによる当該指数の関連情報の報道数

C3 ポータルサイトへの影響力

ポータルサイトによる当該指数の関連情報の報道数

C4 財経類メディアへの影響力

財経類メディアによる当該指数の関連情報の報道数


メタ・インデックスのトップ10


番号

日本語名

英語名

重要性

科学性

影響力

合計点数

1

消費者信頼感

インデックス

Consumer Confidence Index

10.00

10.00

9.22

9.69

2

ISM製造業景況指数

ISM Manufacturing Index

10.00

10.00

8.14

9.25

3

人間開発指数

Human Development Index

10.00

10.00

7.69

9.07

4

消費者物価指数

Consumer Price Index

10.00

10.00

5.95

8.38

5

QS 世界大学

ランキン

QS World University   Rankings

10.00

10.00

5.72

8.29

6

学術誌

インパクトファクター

Journal's Impact Factor

10.00

10.00

5.62

8.25

7

購買担当者景気指数

Purchasing Managers' Index

10.00

10.00

5.57

8.23

8

ダウ・ジョーンズ

指数

Dow Jones Industrial   Average Index

10.00

10.00

5.30

8.12

9

大口商品の

供給要指数

China Commodity Price Index

8.00

10.00

5.94

7.78

10

非製造業事業活動指数

Non-manufacturing   business activity index

8.00

10.00

5.85

7.74


インデックス倫理宣言(北京2022


我々は人類が自ら構築したインデックスの世界で生きている。指数の生命力は人間が認識を簡素化する普遍的なニーズに由来するものである。人類の生活にとって、インデックスはいわば「バーチャルリアリティー」と「オーグメンテッド・リアリティ」のようなものであり、我々の認識に深く影響するだけでなく、ひいては我々の普段の主観と客観の世界にまで影響が及んでいる。商品としても、公共財としても、インデックスの研究・作成・伝播・利用は、いずれも共通した倫理に基づいて行うべきである。

一 我々はインデックスの公正原則(Justice)を唱える

 その一は学術的独立である。インデックスは簡素化や数値化の形で研究対象を描くものである。研究・作成する際、専門知識を使ったり先入観を持ったりすることは不可避のことである以上、我々はなるべく先入観によるいかなる偏見を予見して持たないようにし、伝播・利用する際、我々はなるべく誤認を与える可能性も予見して避けなければならない。インデックスの研究・作成・伝播・利用は不正の利益、研究者の名誉および外部のプレッシャーなどの要素に左右されず、独立したものでなければならない。

 その二は公平な競争である。各種のインデックスが知的市場で公平に競争できるようにすることによって、インデックスを発展させ、社会への貢献を最大限にしなければならない。インデックスの開発者とステークホルダーが個人的な利益を求める際、社会全体の利益を侵害するわけにはいかない。

 その三は反差別である。我々はインデックスを手段とするいかなる差別行為にも反対し、人種・肌色・性別・信仰およびその他の不公正な結果をもたらす可能性のあるセグメント要因に基づいてインデックスを研究・作成・解読しない。我々はインデックスの政治利用、風評被害利用、下品化に反対する。

 その四は均衡ある発展である。我々はインデックスの質の高い均衡ある発展をおし進め、より多くの人がより多くのインデックスに恵まれ、より幅広い集団の生活がインデックスに公平に評価・反映されるように努める。いわゆる「インデックス・ディバイド」と「インデックス貧困」の消滅に努め、インデックスの形骸化と発言権上の覇権化に反対する。世界範囲でインデックスの研究・作成・発表・共有における不均衡状況の減少に努める。言語・技術・文化の相違によるインデックス・チャンスの不平等の是正に努める。

二 我々はインデックスの開放原則(Openness)を唱える。インデックスを発展させるには、国際協力が必要である。我々は「ともに協議し、ともに建設し、ともに享受する」という精神をもって全世界でインデックスの協力をおし進める。我々はインデックスの自由取得を唱え、最終的には公共財としてのインデックスを実らせる。人々が指数の成果をより簡単かつ効率的に利用できるようにし、関係者がより深くより効果的にインデックス関連の商品とサービスの開発に加わるように促す。

三 我々はインデックスの科学原則Scientificnessを唱える。我々はインデックスにおける主体の確立、中身の範囲限定、インデックスの設計、データの採集、ならびにインデックスの公開、伝播、解読、意思決定の全過程にわたり、どの段階でも専門性、責任感、勤勉さをできる限り貫き、研究対象を描くインデックスが終始、全面的、客観的、公正かつ中立的な環境に置かれるようにしなければならない。主観的判断や専門的分析を行う場合も、最大限に科学性と合理性を確保する。したがって、我々には最新の方法とツールを活用する責任がある。

 我々がインデックスでこの世界に評価を与えると同時に、世界のためにスタンダードを確立し、未来をデザインする責任を担っている、と我々は終始胸に刻んでいる。

                    インデックスペディア・ネット

                       202211


インデックスペディア・ネットの概要

www.indexpedia.net


インデックスペディア・ネットは世界初のインデックスの百科全書であり、構造的かつダイナミックで、そしてインターアクティブなインデックスの百科全書の構築を通じて、学際間の壁を打ち破り、インデックスを礎として、地球規模で学問全領域に行き渡らせる知識体系を作ることを旨とするものである。

2021年、インデックスペディア・ネットは第一フェーズの作業を終え、1.0版のネット・プラットフォームを立ち上げ、indexpedia.netのドメイン名の登録を済ませ、1.0版のウェブサイトを公開した。このバージョンは重要なインデックスを1200も網羅し、経済・社会・文化など18領域、196の国と地域をカバーしている。インデックスペディア・ネットは現在、全世界のホット・インデックスを幅広く収集し、各インデックスのウェブサイトの特徴に応じてデータ採集ストラテジーと採集ツールをおのおの特定し、データ採集の精度と時効を確保できるよう、ポーリング式採集のルールを決めていく。さらに、400近くのインデックスのデータを比較的に綿密に二次加工を行い、データの見える化を遂げた。また、北京外国語大学の研究開発した会計情報形式品質指数、グローバル化晴雨指数、グローバル国際機関影響力指数、中国大学グローバル影響指数、国家言語能力指数なども含まれている。

今後、インデックスペディア・ネットは段階的に多言語のバージョンを世に送り、世界の研究者の参加を誘い、インデックス研究の世界的影響力を拡大する。そして、オーダーメイド式のデータ解析サービスを提供し、世界各国のインデックスに対する研究解析をサポートする。我々はインデックスペディア・ネットに網羅された大量のインデックスに基づいて、影響力を根本とするインデックスに関するインデックス、メタ・インデックスを構築している。異なる専門領域のインデックス研究の文献をシステマチックにまとめ、インデックス研究の方法論を整理する。その上、インデックス研究の方法を革新し、グローバル化に基づいたインデックス学術体系を成し遂げる。